引出物とは、結婚式に参加してくれたゲストに配られるお返し物の事です。
古くから日本で行われてきた風習で、細かくはいろいろあるようですが、それはまた別の場所で説明するとして、ここでは現代の一般的な結婚式で利用される引出物について説明します。
結婚式に招待されたゲストは、新郎新婦へ結婚のお祝いとして「ご祝儀」を持参します。
新郎新婦はそのお返しの品として「引出物」を配ることが一般的です。
引出物の内容ですが、一般的に、「メインギフト」、「2品目(引菓子)」、「3品目(縁起物)」と、1人に対して3種類をお返しします。
地域によっては5品や7品というところもあり、国内でもそれぞれの文化が発展してきました。
今回は一般的な3品で紹介していきます。
メインギフトとは?
引出物の3種類の中でも中心的なお返しもので、一番高額なものとなります。
金額の相場としては、3,000円から5,000円程度になります。
お返しをする相手に応じて金額を変えるとすれば、メインギフトの金額を変えることが一般的です。
例えば、会社の上司や親類などの場合は、ほかのゲストより少し高額な(10,000円とか)メインギフトを選ぶなど、新郎新婦との関わりの深さで変えることが多いでしょう。
メインギフトで選ばれる一般的なものとしては、「カタログギフト」か「それ以外」に分けられます。
「カタログギフト」とは?
カタログギフトとは、いろいろな種類の商品が掲載された1冊の本(カタログ)です。
カタログには2,000種類以上の商品が掲載されているものもあり、それぞれの商品に価格は記載されていません。
カタログをもらったゲストは、カタログに掲載されている商品の中から欲しいもの1つを選ぶことができます。
ゲストが「自分の好きなもの」を選ぶことができるというメリットから、無難なメインギフトとして人気です。
デメリットとしては、無難な引出物としてカタログギフトを選ぶ新郎新婦が多いため、「引出物がまたカタログギフトだった・・・」というマンネリ化の声がゲストから聞かれることもあり、いまや無難ではなくなってきているということがあげられます。
「カタログギフト以外」とは?
陶器類、繊維類、食品類などです。
具体的には、食器やタオルやお米などです。
カタログギフトはカタログを貰ったゲストが商品を選べるのに対し、新郎新婦が選んだ「品物」をゲストにお返しします。
新郎新婦が選んだものということで、選ぶ手間や物に対して思い入れがあり、ゲストに感謝が伝わりやすいメリットがあります。
デメリットとしては、ゲストの趣味趣向に合わないものを贈ってしまう可能性があるということがあげられます。
その他に気を付けないといけない事は、カタログギフトの価格には「システム料」というものが含まれているということです。
カタログギフトの「システム料」とは?
ゲストがカタログギフトの中から商品を選んだ場合、選んだ商品は「カタログギフトのメーカー」から「ゲストの自宅」へ配送されることになります。
そこには配送料がかかっています。
さらに、ゲストが商品を選んでいるカタログ自体も「冊子代」がかかっています。
その「配送料」と「冊子代」がシステム料として加算されています。
つまり、システム料が800円の場合、「3,300円コース」と記載されているカタログギフトをゲストに贈ったとしても、カタログに掲載されている商品は2,500円相当ということになります。
カタログギフト代3,300円 - システム料800円 = ゲストが選べる商品2,500円相当
ゲストが商品を選べるというメリットはありますが、選べる商品は3,300円より800円ほど安い商品群の中から選んでもらうということになりますので、予算が潤沢にあるなら3,800円のカタログギフトを贈ることをお勧めします。
もしくは3,300円相当の「カタログギフト以外の品」を選んで贈るほうがいいでしょう。
引菓子とは?
引菓子とは、メインギフトに添えるお菓子の事です。
「菓子」と名はついていますが、お菓子に限らずラーメンやスープなどを選ぶこともあります。
引菓子で一番人気なのは「バームクーヘン」ですが、これも人気ゆえ、マンネリ化しているように感じます。
引菓子の金額相場は1,000円から2,000円ほどが一般的です。
パッケージがオシャレなものが多く、一部商品はパッケージのデザインで選ばれている感がありますので、中身でも勝負したいところです。
縁起ものとは?
縁起ものとは、メインギフトに添える鰹節(かつおぶし)などの事です。
「縁起」と名はつきますが、ゲン担ぎされているものばかりではなく、パスタやお茶漬けなど、多彩な種類があります。
金額相場は引菓子と同程度の1,000円から2,000円と考えて間違いありません。
一般的には鰹節が選ばれることが多い傾向ですが、縁起がいいとされている理由も「後付け感」が否めませんので、最近では鰹節以外も選ばれるようになりました。
最後に
地域によって様々なしきたりがあり一概に何が正解とは言えない引出物ですが、チャペルでの挙式に仏滅を避けるなど、もはやキリスト教か仏教かわからない昨今、引出物も人それぞれの個性を出して柔軟に選んでみてもいいのではないでしょうか。
今回は、「引出物とは?」についてでした。